2025.12.22

「特別養護老人ホームさの」の厨房スタッフと管理栄養士の新井千代子さん(左から2人目)
高齢者向けの食事提供や介護食対応では、「肉や魚が硬くて食べにくい」「残食が増える」といった課題が多く聞かれます。特別養護老人ホームさのでは、果実由来の調味料「ヴィネッタ」を導入することで、調理負担を増やさずに食材をやわらかく仕上げ、喫食量と満足度の向上を実現しました。本記事では、その導入事例をご紹介します。

特別養護老人ホームさのは、入所者の平均年齢83.2歳、要介護度4.2と、高齢かつ介護度の高い方が多い施設です。嚥下機能の低下や認知症を抱える方も多く、食事提供には細やかな配慮が求められています。
あわせて、同施設では入所前の栄養サマリーをもとに栄養管理計画を立案し、食形態も1〜2週間かけて慎重に調整しています。さらに歯科医師によるミールラウンドを定期的に実施し、多職種連携による経口摂取支援体制を整えています。
その中で、大きな課題となっていたのが、肉や魚料理の残食でした。軟菜食や嚥下調整食では水分量が増え、味が薄くなりやすく、パサつきによって食べにくくなる傾向があります。管理栄養士の新井さんをはじめ、厨房スタッフたちは味噌やヨーグルトなどを使った下処理も試しましたが、調理工程が増える割に十分な効果は得られませんでした。

そこで導入されたのが、ぶどう果汁由来の果実調味料「ヴィネッタ」です。
天然由来原料である点に安心感があり、試作段階から「風味を損なわず、しっとりやわらかく仕上がる」と高評価を得ました。
ヴィネッタは粉末タイプで、水に溶いて食材を漬け込むだけというシンプルな使用方法が特長です。
分量や漬け込み時間を調整することで、常食から嚥下調整食まで幅広く対応できます。酵素不使用のため、漬け込みすぎても形が崩れにくく、集団調理でも扱いやすい点が現場で重宝されています。
現在は豚肉・鶏肉・牛肉・ひき肉類に加え、カジキマグロやブリなどパサつきやすい魚にも使用。調理工程を増やさずに品質を安定させられる点は、厨房スタッフの負担軽減にもつながっています。

この日、ランチのメインはカジキマグロ。ヴィネッタに漬け込んでしっとり食感な仕上がりです。

夕食の仕込み。肉質を見てからヴィネッタに漬け込む時間を決めます。
ヴィネッタ導入後、施設では残食量が明確に減少しました。毎食記録している残食データでも改善が見られ、肉・魚料理ともに提供しやすくなっています。嗜好調査や第三者による食事アンケートでも、9割以上が「おいしい」と評価しています。
喫食量の増加により、高齢者に不足しがちなたんぱく質摂取量の維持・向上にも貢献しています。これは筋力低下や嚥下機能低下の予防という点でも重要です。
ヴィネッタは、やわらかさ・おいしさ・調理効率を同時に求められる現場において、有効な調味料といえます。高齢者施設だけでなく、食べやすさに配慮したメニューを提供する飲食店にとっても、導入を検討しやすい調味料です。ぜひお試しください。
自然原料由来の肉軟化調味料「ヴィネッタ」と、食品添加物の「ヴィネッタ ライト」。使用方法は濃度 3%になるまで水で溶かしたヴィネッタに、2 時間漬け込むだけ。肉全般に使える他、魚貝類の臭みとりにも有効だ。
以下クリックしてサンプルをお試しください。